神奈川県秦野市にある本社屋は、木造2階建て。資材倉庫併設のコンパクトなオフィスです。開放的な打ち合わせコーナーとは別に、地域の皆様に使っていただくコミュニティエリアをゆったりと設けています。
大きな吹抜がこの建物の特徴。外からは大きな開口から室内を見通せます。
道路側正面に、直角に張り出した大きな白い壁が3枚、垂直に伸びています。これらは、室内の大きな吹き抜け空間をしっかりと固めるための構造上とても大切な壁です。
この壁のモチーフは、中世ヨーロッパの教会建築の特徴である、「バットレス」という控え壁です。天井の高いキリスト教会の巨大空間。その中には、天井まで長い柱がまっすぐに伸びていますが大きな壁はありません。これだけでは屋根の荷重で、壁が外側にたわんでしまいます。それを避けるために、屋外にバットレス(控え壁)という大きな壁を設けました。下の2つの建物で壁に直角に付属した控え壁が見られます。
その結果、教会内部に壁が不要となり、その結果、端から端まで見通せる大空間が実現できました。大人数で祈りをささげる場所に壁があると、大半の席から、祭壇が見えなくなる事態となりますからね。
大工である当社創業社長が、かつてキリスト教会堂の建築工事に携わったこともあり、新社屋を建てるにあたりこのモチーフを採用しました。当社オフィスに併設した地域の皆様に開放しているスタジオの名称は、Luminosa。イタリア語で明るいという意味です。宗教施設では無いですが、ステンドグラスから光が落ちるゴシック教会の様に明るく開放的な空間に仕上がったLuminosa。教会のように地域の皆様が気軽に集まるような場所にしたいという想いを込めています。
参考
https://fr.wikipedia.org/wiki/Fichier:Cathedrale_d%27Amiens_-_nef_depuis_le_triforium.jpg