健康や長寿、ダイエットからエクササイズまで身体への関心は尽きる事がありません。テレビではほぼ毎日どこかの局が、このテーマの番組を放送していますし、書店でも関連本は山積みです。そして身体のケアのテーマでいつも話題に上がるのが食品で、その時その時でのブームやトレンドがある様です。
食品に対する人の趣向も多様化し、商品カテゴリーも増えた結果、人それぞれの目的別に商品を選べる便利な時代となりました。そのような中でもやはり健康への関心が高い様で、更には食品成分も、化学的に合成された成分から自然由来の成分へという、世界のヘルストレンドの潮流がある様です。例えば、合成ビタミンＣよりも吸収率の高い天然由来のビタミンＣを選びたい消費者がその一例。含有量よりも品質優先が今のトレンドみたいです。
産地や生産者に対するこだわりも強くなってきましたね。スーパーに行くと農家さんの写真を見るのは当たり前となりましたし、産地が不明な食品は見なくなりました。更には、生産者から直接、米や野菜、果物を購入することも浸透しましたし、家族のために安全な食品を求める傾向が年々高まっている様です。日常的に口に入れるものだから、当然でしょうね。(株)アイ．創建本社がある秦野市でも、JAはだのにより地産地消の取り組みがなされています。（写真は同ウェブサイトより引用）
(株)アイ．創建のある秦野市JAが運営する直売所。「はだのじばさんず」
日常的に口に入れるもう一つのもの。それは空気です。人は、1日で約1.4万ℓ。重さにすると約20kgの空気を呼吸しています。これだけの量の空気を吸うのですから、一生ではとんでもない量となりますね。空気の成分はざっくりとは、窒素 + 酸素 + 若干の水分 + 微量のその他ですが、問題は「微量のその他」。これらが悪さをし、人体に悪影響を及ぼすわけです。近年話題の、PM2.5はその一例。中国やインドでは大変な事態になっています。
そんなPM2.5のように分かりやすいケースであれば、「危険だから対策しなければ！」という風潮になるのですが、分かりにくい「微量のその他」に対しては、国も腰が重くなり世間も見過ごしてしまいますね。住宅の空気環境の本当の危険性は、このような背景そのものなのです。
住宅で使用される様々な新建材、そして、それらを接合するときに使われる接着剤。これら石油由来の製品からは、時間をかけてじわじわと人体に有害な有機化合物が揮発しています。ゆっくりと住まいの空間へと放出され、お部屋の空気の「微量のその他」として存在し続けるのです。それを毎日家族が吸い込んで、体内に蓄積されるのです。
シックハウス症候群の主な症状（豊島区役所ウェブサイトより引用）
これら有害物質の影響は、すぐには出ません。体内で分解されずに蓄積した「毒」を、身体が「もうこれ以上抱えきれない」となった瞬間に、身体に異変が生じます。これが、シックハウス症候群です。この怖いシックハウス症候群、一度なったら完全治癒は簡単ではありません。少なくとも、症状を和らげる環境に身を置き続けないと、症状が良くなることはありません。原因不明の「だるさ」や「めまい」といった症状の原因ともいわれており、潜在的なシックハウス予備軍の方も、実は相当多いのではないかと言われています。
食品と同じく、家を建てるときにも成分表を見ていただきたい。そのように私たちは思っています。