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2019年01月09日 1時48分
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提案も見積りも未だなのにここに決めた

秦野市の閑静な住宅地。モダンな外観が一際目を引く、完成直後の2世帯住宅ST邸を訪れた。
ST様ご家族は、新居での生活をスタートしてわずか1ヶ月であるにも関わらず、日常生活にしっかりと馴染んでいる様子。「1ヶ月経ってもこうした方が良かったなという悔やむ気持ちが、一切ない」。施主全員、満場一致の評価である。自由設計の注文住宅では極めて珍しい。それでも何かあるだろう。その先を促して、記憶の断片を辿ってもらう。「それでもやっぱりない」と繰り返す。

ますますその理由を探ってみたくなった。

 

迷走

若い二人が家づくりに着手する。
家づくりを決心したはいいが、何からスタートして良いのかさっぱり見当もつかない。取り敢えず住宅総合展示場へ行ってみた。「展示場の出店会社の中から選ぶものだと、当時は普通に思っていた」からだ。展示場を2つ見学した。それ以上は見るのを止めた。生活の実感が沸かなかったからだ。困った。考えあぐねた結果、ネットでたどり着いた東京のとある設計事務所を訪ねてみた。一通り話を終えると、後日簡単なプランが出来上がった。生活感が感じられず、勝手の悪い動線計画に絶望に近い感覚を味わった。「家づくりって初めからこんなに苦労するものなのか?」この先、どこを目指せば良いのかさえ分からなくなった。

 

全体にモダンにまとまったリビング。キッチンと離しつつも距離が近い位置関係にこだわった。

 

出会い

そんな最中、アイ.創建本社の前を偶然通りかかったS様が、エントランスに展示していたビンテージバイクに目が留まった。「単車が気になって仕方がなかった。何の会社か最初は分からなかったけどね」。住宅会社っぽくなかったみたいだ。アイ.創建の存在を聞いたT様妻は、「お気軽にお入り下さいと看板にあった」ので、アポなしで迷わず突入。偶然そこにいた大工親方である前社長と出会った。「私の祖父が大工で近寄り難かったんです。だから職人さんは怖いというイメージがあって。ところが親方が温厚な方で、一気に緊張が解けました。」微笑ましくもあり運命的でもあった、T様・S様とアイ.創建との出会いは、そこから始まった。

 

キッチンの並びに配置した食卓。食事の最中の移動に都合が良いレイアウト。

 

 

転機

その夜、T様夫婦は受け取ったパンフレットに目を通す。自分たちに合いそうな気がした。次の休日、今度は二人で本社へ訪問。「雑談を交えながらでしたが、設計担当の大塚さんから一通り説明してもらいました。二人ともその時に、心の中で決めました。」提案も見積もりも出ていない。まして、要望さえも伝えていない。この時に決心した理由が知りたくなった。「うーん、何故でしょう。地元密着であることへの安心感もありますが、何よりも設計のアプローチでしょうか。」設計の進め方ということであろうか。「そうですね。部屋数や広さをリストアップしてそれをまとめるのではなく、好きな事ややりたいことをどんどん挙げて欲しいという私たちへの問いかけが、とても新鮮に感じたのです。」

 

材料選びからコーディネートまで丁寧な仕事ぶりがうかがえる和室。

 

 

疾走

早速「やりたいことリスト」を携え、アイ.創建を訪問したT様夫婦とS様の目の前に提示されたのが、サイトプラン。敷地を読み取った結果と利用計画をまとめた資料だ。「またまた目から鱗でした。」敷地の上に色鉛筆で丁寧に描かれたサイトプランを目の当たりにしてワクワクしてきた。「敷地全体を、日照や通風、近隣からの視線など様々な条件に従い、場所ごとに特徴付けているんです。それがとても斬新でしかも分かりやすくて、説明を聞き入ってしまいました。」アイ.創建では、このサイトプランとお客様のライフスタイルの両者をもとに、設計を進めていく。段階を踏みながら設計図を作り上げていくため、お客様も設計の意図が理解しやすいようだ。「設計変更はほとんどありませんでした。手順が丁寧だったので分かりやすかったんです。そうでなかったらもっと時間がかかっていたでしょうね。」目指すべき設計の完成形のイメージが双方で共有でき、それからはスピーディーに細かい設計内容が決まっていった。とんとん拍子に話が進んでいった。とても爽快な気分だった。

 

アパレルショップさながらの整然とした衣裳部屋。

 

 

工事スタート

着工式。工事を担当する様々な職人達が一堂に会し、施主に自己紹介をする。プロジェクトの節目にもあたる大切な式である。「同時に5組の施主が出席していました。これまでいろいろあったなと感慨深かったですね。」一人ひとり挨拶する職人を見ながら手元の名刺を確認する。皆の名刺に「相輪会」との表記がある。アイ.創建と専門工事業者とで構成される協力会、いわばチームアイ.創建の名称だ。「この表記に気付いて、皆さんが一体となって私たちの家づくりに、これから取り組んでくれるんだなと改めて感じました。」

ここまでのストーリーは上出来だ。でも現場が始まると、想定外のドラマがあるものだ。そんな話も聞きたい。「最後の最後で工期に収まるのかヒヤヒヤしましたが、それ以外は特になかったですね。定期的にLINE動画で現況報告していただいてましたので」。手作業が多い、いわば昔ながらの家づくりの一方で、ちゃっかりLINEを活用している。抜かりが無い。「ずうずうしくも家具選びの相談もしました。アイ.創建さんには一銭も入らないのにね」と笑っているご家族は本当に楽しそうだ。「言いたいことは遠慮せずに言った方がいいですよ。無理なものは無理なんだし。その判断はプロがしてくれますから。」上手な家づくりの秘訣かも知れない。

 

インタビュー時の風景。終始笑いが絶えないひと時だった。

 

思い出

T様妻が嬉しそうに教えてくれた。「板に手形を付けたんですよ。」記念に家族全員の手形を板に押し付け、棟木の真下に納めたそうだ。上棟後の思い出深い儀式だ。「棟木を納めて、木組みが出来上がったのを目の当たりにして、込み上げるものがあった。責任感も同時に感じた。」笑顔の妻のその横で、一瞬真剣な眼差しでT様夫がつぶやいたのが思い出深い。

家づくりSTORY(秦野ST様)