木造の家を建てるのに木が使われています。
柱や床板、棚等様々なものに木が使われており、木目や色によって色んな表情を見せる木ですが、そんな木が素敵な絵を生み出します【木象嵌】をご存知ですか?
小田原・箱根の伝統工芸技術として有名な木象嵌(もくぞうがん)とは、種々の天然木材を用いて絵画や図柄を表現する木画技術のことをいいます。
箱根というと寄木細工を連想されるかと思いますが、全く異なるものになります。
「寄木」とは・・・木片を寄せて集めるというもので、金太郎あめの原理を使って、模様を組み合わせることで集合体としての「絵」となっているものです
「象嵌」とは・・・象(かたど)り、嵌(は)めるもので、地となる木を模様となる形にくり抜いて、そこにぴったりと違う木を嵌めて行く手法で木片を嵌めることで一枚の「絵」となっていくのです。
この二つはこのように製作の過程が全く異なるにもかかわらず、製品となったものを見た時にその区別が難しいことから、同じものと誤解されやすいそうです。
木象嵌には様々な技法がありますが、はめこむ材に所要の図案を画きミシン鋸で鋸断した後、模様材をはめこんで作成する技法があり、この製法は世界的に例がない珍しい技法で、現在、日本では小田原地方が唯一の技術保有地で伝統工芸技術としてとても貴重なものとされています。
(横瀬)