横浜の馬車道通りに面して、屋上部分に八角形のドームを持つ、ネオバロック様式の近代建築物があります。
この建物は、明治37年完成の横浜正金銀行本店本館だった部分です。横浜正金銀行は当時、日本銀行とともに国内で最も重要な金融機関であり、後に世界三大為替銀行の一つに数えられるほど隆盛を誇った銀行でした。そのポストにふさわしく、今なお重厚さや風格と威厳を感じさせる佇まいです。
外観は中央の入口から両サイドへ規則的に並ぶ通し柱(コリント式オーダー)が特徴的ですが、近づいて見ると細かな装飾が繊細で、とても美しいです。上部のドーム部分は、大正12年の関東大震災で火災により焼失し、昭和39年に復元されたものだそうです。
(大塚)