2017.02.28

【天然素材】素材の力

住まい計画のヒント

皆様は「琥珀(こはく)」をご存知でしょうか?

映画、ジュラシックパークにも出てくる、ブランデーのような色をした宝石です。1億4000万年前の恐竜を現代に甦らせるカギは、恐竜の血を吸った蚊を閉じ込めた琥珀でした。

恐竜が甦るかどうかは別として、実際にそのDNAを採取することは可能らしいのです。1億4000万年前の針葉樹の樹液が自然の力で固まり、琥珀となってそのままの姿で現代に現れる、まるで地球に抱かれた天然のタイムカプセルのようです。

炭化コルクや柿渋も、琥珀と同じように樹脂化し自ら固まったものです。コルクは圧力をかけ蒸焼きにする途中、自らの樹液で化学反応を起こして固まります。それをスライスしたものが炭化コルクになります。炭化コルクは耐久性に優れた断熱材になります。

柿渋は、木や紙に塗るとその脂と反応し樹脂化します。このしくみを利用したのが昔懐かしい番傘です。紙に柿渋を塗り、その上から椿油を塗ることで樹脂化し、よりいっそう撥水性を高めています。

琥珀も炭化コルクも柿渋も、もとは植物の樹液や成分です。樹脂化したものは長い年月が経ってもその姿や耐久性を失いません。人工の化学物質の力を借りなくても、大いなる自然は素晴らしい素材を私たちに与えてくれているのです。

 

写真は断熱施工途中の、炭化コルク
iezukurikoramu62.JPG
(平原 績)

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