素材選びは、その特性に配慮することが重要で、天然素材なら何でも良いという訳ではありません。例えばヒノキや杉は害虫、菌から自らを守るために殺菌・殺虫効果が高い天然の殺虫成分を放出しています。
少し話がそれますが、市販されている殺虫剤はこのヒノキや杉の成分を研究し商品化に役立てているのです。だから、「ヒノキ風呂」って全身殺虫剤まみれになってるのと同じで身体にはとっても有害です。それを知っているので、私は入るのを敬遠してしまいます。
一方で、虫に強く非常に頑丈なので、土台・柱などの仕上げに露出しない構造材にはピッタリな素材です。ちなみに弊社では、土台・柱にはヒノキ材、梁にはマツを使いオール無垢材の構造になっています。
またサクラやカバなどは、化学物質の放散が少ないので内装材には向いた樹種です。
このように「植物学」からの見地で木の特性を活かし、適材適所に使用していくことが本当の意味での健康住宅になるのではないでしょうか?
そもそも「適材適所」という言葉は、建築現場での木材の使い分けが語源。適材の材は、木材の材なのです。
(平原績)