コラム
MADE IN NATURE

住宅も、成分表を見て選ぶのが家族と自分への愛です

2023.10.30

健康や長寿、ダイエットからエクササイズまで身体への関心は尽きる事がありません。

 

テレビでは、このテーマの番組を毎日放送していますし書店でも関連本は山積みです。そしてこのテーマについて話題に上がる筆頭が食品です。

 

 

食品を通じた健康への関心は年々高まりつつあります。特に家族のために身体に安全な食品を求める傾向が強くなっています。生産者から米や野菜を直接購入する方もとても増えてきましたね。

 

一方で、日常的に口に入れている食品とは違う別のもの。それは空気です。

 

人は、1日で約1.4万ℓ。重さにすると約20kgの空気を吸って吐いています。これだけの量の空気を体内に取り入れるのですから、一生ではとんでもない量となりますね。空気の成分はざっくりとは、窒素 + 酸素 + 若干の水分 + 微量のその他ですが、問題はこの「微量のその他」。これらが悪さをし、人体に悪影響を及ぼすわけです。大気汚染の原因の一つ、微粒子のPM2.5はその一例です。中国やインドでは大変な事態になっています。

 

 

そんなPM2.5のように分かりやすいケースであれば、「危険だから対策しなければ!」という風潮になるのですが、室内空気の場合の様な「分かりにくい微量のその他」については、国も腰が重く世間も見過ごしています。住宅の空気環境の問題の根本原因は、このような背景そのものなのです。実は、住宅の室内空気環境の問題は、社会問題に発展して当然なくらい深刻なのです。

 

住宅で使用される様々な新建材、そして、それらを接合するときに使われる接着剤。これら石油由来の製品からは、時間をかけてじわじわと人体に有害な有機化合物が揮発しています。ゆっくりと住まいの空間へと放出され、お部屋の空気の「微量のその他」として存在し続けるのです。そして、それを毎日家族が吸い込み体内に蓄積されているのです。

 

これは普段全く意識していない不都合な真実であり、極めて危険な状況なんです。

 

実際、これら有害物質を起因とする疾患はすぐには発症しません。体内で分解されずに蓄積したサイレントキラーである「毒」を、身体が「もうこれ以上抱えきれない」となった瞬間に身体に異変が生じます。これが、シックハウス症候群です。

 

豊島区役所ウェブサイト

 

この怖いシックハウス症候群、一度なったら完全治癒は簡単ではありません。少なくとも、症状を和らげる環境に身を置き続けないと、症状が良くなることはありません。日常的な原因不明の「だるさ」や「めまい」の原因でもあり、潜在的なシックハウス予備軍の方も、実は相当多いのではないかと予測されています。

 

大手企業の都合かどうか分かりませんが、マスコミでも取り上げられていないこの事実は、住宅を建てるすべての方に知ってもらいたい、そして、食品と同じく家を建てるときにも成分表を見ていただきたい。そのように私たちは思っています。

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