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2019年06月05日 3時0分
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ちょっと思い出してみよう(3)ーたかが遊び、されど遊び。

(前回からの続きです)

永橋ゼミでは、いろいろなシチュエーションでこのワークショップをされているようです。

育児サークルでこのワークショップをした時の事。「我が子はいつも自転車の乗り方が荒かったり、ケガをしそうな遊びばかりして、私は怒ってばかりで毎日しんどいのです」と仰っていたママ。彼女が描いた絵は「坂道を自転車でいかに速く走れるか競争しているときの様子」だったそうです。

「私だって子どもの頃、危険でハラハラドキドキするような遊びが大好きだったことに、今頃気が付きました。これからはもう少しおおらかな気持ちで、我が子を見守っていきます」と納得されたそうです。教授自身はこのワークショップにセラピー要素を加味したつもりはなかったそうで、そういう側面があることに初めて気付いたそうです。

※ 子育てサークルワークショップ

 

このワークショップの本来の目的は「今いる場所をもっと居心地よくするため」。

例えば、赤ちゃん連れの新米ママたちの集まりで開催したところ、ママたちは「今まで一人で育児を頑張って、心身ともにいっぱいいっぱいでパンパン!なところで、このワークショップをしていると、なんだかとても穏やかな気持ちになれました」と皆さんホッとされたそう。

そして、「それに伴い、抱っこされている赤ちゃんたちがとても穏やかになったんですよね」と永橋教授。この日を契機に、ママたちはいろんな人と仲良くなれ、後日、育児支援サークルまで立ち上がったとか。

子どもたちがほっとすると、お母さんたちがほっとするのではなく、お母さんたちがほっとしていると、子どもたちはほっとするもの。これをきっかけに、ママたちによるママたちのためのプロジェクトが立ち上がったのもステキですよね。

はたまた、田舎あるある!?「小さな(でも無視できない)町内派閥抗争」を繰り広げられていた双方のドンを交えての会で、このワークショップをしたところ、幼少の頃した川を隔てての石投げ合戦において意外な繋がりがあったことがわかり、心からお互いを尊重しあえる間柄になったとか。80歳を超えようやく長年のわだかまりが融解したなんて…。周りの方々にとっても好影響をもたらしていることでしょう。

そこで気になるのが、こういうワークショップをしてみようと思われた永橋教授ご自身は、どのような絵を描かれたのだろう…ということ。私がお尋ねする前に留学生たちが、

「ながはしせんせいはどんなえをかいたのですか」

と、ナイスパス!教授が描いたのは、小学生の頃、風邪をひいて学校を休んだ日の夕暮れ。通りで遊ぶ近所の子どもたちを2階の窓から俯瞰的に眺めて幸せを感じている自分を描いた絵でした。

※ 永橋教授の絵

 

永橋教授は、東京都台東区谷中のご出身。「谷中は、上野にも近く東京下町レトロ感が漂う場所。どこか懐かしい風景を住民はずっと大切にしています。そんな土地で、みんなが楽しそうに暮らしている雰囲気が子どもの頃から好きだったんだなぁ~そんな感覚が今につながっているんだなぁ~と、自分でも絵を描くことによって、ふと気づき、どうしてこのワークショップをするようになったのかとても腑に落ちました。」と永橋教授。そんな話がとても心に響きました。「また来て下さいね」って思わず叫んだ学生も。私も、今度は地域の方々もお招きしたいと思った次第です。

たかが遊び、されど遊び。ちょっと思い出してみると、自分を認めてあげられることにつながるかもしれないのですね。そんな風に思うだけでも優しい気持ちになれそうです。

参考HP:永橋ゼミ
http://ritsnet.ritsumei.jp/sansha/vol10.html