2018.09.21

趣味を深めたくなる季節(5)ードパリュデュー氏との対面

子育て世代応援prj

(前回の続きです)

もちろん、我が家の映画本コーナーにも、彼のことを記載した本がたくさんありました。その中から(あ!そうだ!これにも載ってたんだ)と思い出したのが『銀幕のインテリア』(著:渡辺武信、発行:読売新聞社)。

この本は、古今東西の珠玉の名画を通して、多様な住まいと住まい方に触れる一冊。項目も、玄関、鍵と扉、居間と席、椅子、ソファー、食卓、台所、寝室、書斎・本棚、子ども部屋、浴室・寝室、階段・地下・屋根裏部屋、縁側・テラス、灯火、暖房・暖炉、インテリア(室内の色彩)、インテリア(個性との関わり)、増改築、豪邸、住まいの祝祭と、幅広い。

建築関係の雑誌と違って映画ですので、暮らし方が観られるというのが面白く、(自分はどんな暮らし方が好きなのかな)ということがはっきりできそうな一冊なのです。

その中で、取り上げられている『グリーン・カード』(1990年、アメリカ映画)の主人公を演じたのが、ジェラール・ドパリュデュー。「グリーン・カード」とはアメリカの永住許可書のことなのですが、これを取りたいフランス人男性(ドパリュデュー)と、憧れの温室付きアパートに住みたいけど既婚者でなければ入居が許されなくて困っている独身女性が、利害が一致したため偽装結婚するとこから話が展開していく作品なのですが…。

ここに出てくるアパートは、ニューヨークの古き良き時代の郷愁をそそるステキな建物で、エレベーターは円筒型で扉が丸窓付きの木製。居間の大きな両開き扉を開くと、天窓を持つ高い天井の下に緑あふれる温室があります。
テラスも広くてニューヨークが一望できるという、摩天楼の森の中の、天空の庭。田んぼが一望できる緑あふれる古民家で(いいな~いいな~)と思いながら、また観たいと思っています。

さて、フランス国営放送の特番の話に戻りますが、ロケハンがロケ地を決めるために、日本中あちらこちらと取材をされていました。

実は、瀬戸内市にはフランス出身のステキな女性が国際交流員として、多言語で市の魅力や日本文化などいろんな情報を発信してくださっているのですが、今回、彼女がロケハンの瀬戸内市取材の通訳として同行してくれました。

フランス映画好きな私にとりましては、スタッフの皆さんの動きや会話が、「これぞヌーベルバーグの世界」で、選ばれなくてもまぁいっか、という気分になっていたのですが、日本刀を作る鍛冶屋さんに(たまたま現場にいた)私や娘たちがいるというシチュエーショが気に入ってくれたようで、即採用!

ドパリュデュー氏がロケに来られることになりました。

やはり大物オーラが半端ない!(身長が190㎝ですので見た目も大物でしたが)

にこにこしてこちらに来られてフランス語をまくしたてられたのですが、わたしは「ボンジュール」しかわかりません。握手をしながら「はじめまして。日本のコーヒーもおいしいね」ってなんとなく言われているような気がして、緊張しつつも笑顔で頷いていたのですが、あとから国際交流員に聞くと、小声で「日本の戦後政策のことを辛辣に言っていましたよ」ですって…。(自分の脳内誤訳にあきれながらも)さすが大御所!まいりました…。

何はともあれ、日本刀の制作工程(鍛錬など)に非常に興味をしめされ、鍛冶体験もされ、ご本人は相当満足をしてくださったようで…よかったです。私も「一緒に写真を撮ろう」と、ドパリュデュー氏から言っていただきましたし♪(そのときの画像は前エッセーに入れています)。

ドパリュデュー氏が会うなりどうしてあんなことを言ったのか…。脈々と受け継がれている日本文化をリスペクトしているからこそ!批判(疑問)が口から素直に出たのかなって後になって思えます。

とにかく、この特番がきっかけとなり、「趣味が日本文化」というフランス人が、より一層増えたら嬉しいです。
(日本で放映されないのが残念ですが。)

本当に、趣味が深まるきっかけって、わかりませんもの。

今回のエッセイ。ポリンキーからフランスの名優まで飛んでしまいました ~ ♪ジャン!

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