テレンス・コンラン卿の著書に「デザインは98%の常識であると考えたい。しかしデザインをこれほど面白くやりがいのある作業にしているのは残る2%、即ち『美意識』とも呼ばれるものである」という言葉があります。
英国の住文化を支えてきたデザイナーらしく、デザインの本質と魅力をしっかりと捉えた素晴らしい言葉です。この言葉を借りて言うなら、「センス」というのも「98%がルールによって成り立ち、残り2%が個人の才能ではないのか」、と思うのです。
「センスがいい」ということは、特別な才能に恵まれることではなく、モノをきちんととらえる分析力や、意識の高さだと思います。
イタリアやフランスでは、子供が小さいうちから、親はその子の髪や目の色に合う「色」を教えます。自分が魅力的に見える色を把握し、それを生かしたおしゃれをしなさい、と言います。
ヨーロッパの人に優れたセンスが身につくのは、センスを磨く機会を親が与え、それを育むからだそうです。
(平原績)